第1回金賞受賞:有沢ゆう希先生

2019年08月15日

今は各社からたくさんの児童文庫レーベルが出ているし、
小説投稿サイトも充実していて、自分の作品を発表する手段がたくさんありますよね。
いろいろな選択肢がある中で、私が青い鳥小説賞を選んだのは、
発表が早いとか枚数がちょうどよかったとか、いろいろあるけど、
一番の理由はやっぱり、青い鳥文庫が好きだから!でした。

子供のころ、夢中になって読んだ「若おかみ」シリーズや「パスワード」シリーズ、
それに、三年連続で夏休みの読書感想文の題材に選んだくらい大好きな
『霧の向こうの不思議な町』を刊行しているレーベルと、同じ棚に並びたい……!
そんな下心丸出しの欲求が私の志望動機です。

古典作品の名作やノンフィクションが充実している一方で、
私のデビュー作である『カタコイ』のような、ライトな作風のものも出版してくれる。
教育要素の強い作品と、今っぽいライトな読み口の作品の両方を、
同時に読者に届けてくれる数少ないレーベルが、青い鳥文庫だと思います。
いろいろな作風の小説を受け入れてくれる土壌があるので
流行りの題材かどうかとか、作風が今っぽいか、ということよりも、
物語としての完成度、読者に届ける価値があるかどうかでジャッジしてもらえるのは、本当にありがたいです。

そして、これだけはもう、自信をもって申し上げたいのですが、
青い鳥文庫で本を作るのって、め~~~ちゃくちゃ楽しい!!
どんなお話にしようか、どんなことを伝えたいか、編集さんと話しこんで、
思いを込めたキャラクターを動かして、物語を作っていって、
完成したお話には、素敵な挿絵をつけてもらえて、しかもその本が書店に並ぶ。
今ふりかえっても、アァ~~楽しかったなぁ……って口元がニヤけてしまうくらい、
『カタコイ』シリーズを作るのは、本当に楽しい作業でした。
もちろん、思うように書けなくてヘコむこともあるけど、
投稿時代と違って、力になってくれる人がたくさんいるので、頑張れます。
行き詰った時に相談にのってくれる編集さんの存在は、本当に大きいです。

私が金賞をいただいてから、まだ一年とちょっとですが、
本を作るのって楽しいな、って思うことばっかりです。
青い鳥小説賞を選んで応募したこと、本当に本当に良かったなあと、心から思います。

  • 青い鳥文庫ってなに?
  • 2020 青い鳥文庫小説賞
  • 講談社 火の鳥伝記文庫