第11 回 好きな作家の小説に似てしまう!

2019年11月15日

『作家になりたい!』シリーズ巻末で大好評の「天才双子の小説教室出張版」です!
小説や文章にかんするあらゆる質問、疑問、なやみに、礼央&理央と『作なり』ファミリーが答えます!



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こんにちは、礼央です!
『作家になりたい!⑥恋のなやみは詩集で解決!』
に、たくさんの感想をありがとう!

 

こんにちは、理央です。
なんと、今月も『作家になりたい!』の新作が読めます。
11月16日ごろ発売の『おもしろい話が読みたい!チェン
ジ!』を読んでね。

 

未央で〜す。『チェンジ!』には、なんと、わたしが雪人
さんに書いたラブレターがのっていまーす。
きゃ〜! はずかしい! テレるう。

 

おねえちゃん、気持ち悪いよ……。
そして、全国のこども新聞で『作家になりたい!』の新作の
連載も始まったんだ!

 

そう! わたしが『ことわざと慣用句の達人』になっちゃう
から、みんな、読んでね!


 

「棚からぼたもち」を「田中からぼたもち」
「身から出たさび」を「身から出たわさび」
と間違えたおねえちゃんが達人……?

 

え? そんなまちがいしたかしら〜? 記憶にございませ〜
ん!
はい、では、今月のおなやみ、いってみよう!

 

【おなやみ☆その1】

小説を書いているんですが、文章や内容が、どうしても好きな作家さんや好きな本に似てしまいます。
どうしたらいいの?

(兵庫県 中三 樹里さん)

 

【おなやみ☆その2】

小説を書きはじめたんですけど、むずかしい。
どれも、青い鳥文庫の先生たちのマネになっちゃう。
双子ちゃん、たすけてけろ〜!

(岩手県 小六 そばっち好きさん)

 

同じようなおなやみが、たくさん来ているんだよね! 
小・中学生で、小説を書き始めたばっかり!っていう人な
ら、最初はマネでいいと思うよ!

 

そうよ。まずは、あの本に似てるな〜! なんて、気にせ
ず、思いきって書いてみましょう!

 

最初から、自分だけのオリジナリティあふれる文体の小説が
書ける人はいないんだから。

 

そう。ピアノだって、まずはバイエルから習うでしょ?
絵画だって、まずはデッサンから。

 

テニスや野球だって、素振りから。


 

最初は、みんな、好きな小説をマネして、そこから、いろん
なことを学んでいくの。そのうちに、だんだん、自分のやり
方が見えてくるから、心配しなくても大丈夫!

 

まずは、自分の好きな小説や人気のある小説をいろいろ読んでみて、
「起承転結」はどうなっているのかな?
どんなキャラクターが登場するのかな?
このセリフがかっこいいな〜!
なんてマネして書きながら学んでいくのが小説上達の近道だと思うよ!

 

へえ? そうなの? わあ、マネしていいんだ!


 

でも、おねえちゃん、それはあくまでも勉強のためだよ!
その作品を新人賞に応募するのはダメ。

 

え〜! そうなんだ。


 

おねえちゃん。なぜ、出版社が新人賞をやってると思う?
それは、今までにない新しい個性の小説や作家を見つける
ためなの。

 

そう。いま、人気のある先生と似た作品だったら、新人賞は
とれないし、編集部は本を出してくれないよ。
だって、その先生がいればいいんだもん。

 

だよね。でも、マネばっかりしていたら、その先生と似たよ
うな作品しか書けなくなるような気もする。

 

そこで、文章に自分らしさを出すために、おすすめなのが、
日記と手紙を書くことなんだ!

 

え? 日記と手紙?


 

そう。いきなり、小説を書くのは難しくても、今日、あった
ことを文章にしたり、友達に手紙を書くことならできるでしょ?

 

それなら、できる〜! っていうか、日記はすでに書いてるよ。

 

 

知ってる。だから、おねえちゃんにラブレターをかけって
課題を出したのよ。

 

日記は、自分のために書くよね?でも、基本は誰にも読ませないでしょ? 
でも、手紙は、誰かのために書く。読んでもらう人を想像して書く。
つまり、両方のパターンの勉強になるんだよ。

 

そうか。でも、あんたたちは、わたしの日記を勝手に読むけ
どね。

 

そう。おねえちゃんの日記さ。
「雪人さんとパンダを観た。すごく楽しかった。パンダが可愛かった。」
じゃダメだよ!

 

ええっ! また、わたしの日記を読んだの!?


 

おねえちゃん。なぜ、楽しかったのか。どんな風に可愛かっ
たのか、そこをもっと具体的に書かなくちゃ!

 

ううううう。もう、やめて〜!


 

「雪人さんは博識で、いろんな動物の話をしてくれて、話が
はずんで楽しかった。赤ちゃんパンダは、コロコロもふもふ
していて、でんぐり返しをしたり、おかあさんに甘えてると
ころが可愛かった。」
とかさ。

 

その通り!


 

「面白かった」「楽しかった」「可愛かった」
ですませないで、もう一歩踏みこむ。
こんな風に、具体的に書いてね!
それが小説の勉強にもなるのよ。

 

なるほどね〜。日記も手紙も文章修行になるんだねえ。


 

そうだよ。おねえちゃん、あと「ことわざ」「慣用句」の勉
強もするんだよ! 3月まで新聞連載は続くんだからね!

 

ううう。が、がんばりま〜す。


 

では、そろそろ、今月はこの辺で。


 

では、また来月、このコーナーでお会いしましょう!


 

みんなのおなやみ、お待ちしていまーす!

 

 

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