火の鳥NEWS

『植村直己』岩貞るみこ先生インタビュー!

2019.03.25 更新

 

こんにちは、ひのぴーだよ!
火の鳥伝記文庫『植村直己(うえむらなおみ)』が全国の書店で発売になりました!
著者の岩貞るみこ(いわさだるみこ)先生は『しっぽをなくしたイルカー沖縄美ら海水族館フジの物語―』や『わたし、がんばったよ。―急性骨髄性白血病をのりこえた女の子のお話。―』など、青い鳥文庫のたくさんのノンフィクション(本当にあったお話のこと)でおなじみ。でも、火の鳥伝記文庫では初登場なんだ。
今回は、そんな岩貞先生にインタビューしたよ!




こんにちは、岩貞先生。ひのぴー、このまえ、岩貞先生の書いた『青い鳥文庫ができるまで』を読んだよ!

 

それはありがとう!

 

とってもおもしろかった! でも、読んでたら、あおぴーが「おもしろいでしょ。どう? 勉強になった?」とか言ってドヤ顔してきた……。
だから、今回、岩貞先生が火の鳥伝記文庫で『植村直己』を書いてくれてとてもうれしい! はりきってインタビューしちゃいます!
……でも、ごめんなさい! ひのぴー、植村直己がどんなことをした人なのかしらないんだ。岩貞先生、教えてください!

 

それはそれは……。あおぴーにもよろしくお伝えください。
植村直己は、日本人で初めて、世界最高峰エベレストの登頂に成功した登山家です。さらに、当時、五大陸最高峰と言われていた、エベレスト(ユーラシア大陸)、モンブラン(ヨーロッパ大陸)、キリマンジャロ(アフリカ大陸)、アコンカグア(南米大陸)、マッキンリー(現在のデナリ。北米大陸)に、世界で初めてぜんぶ登ったんです。すごいでしょ。
それだけじゃなくてね、世界で初めて犬ぞりを使って北極点に到達したり、2年近くかけて北極圏を1万2000キロメートルも旅行した冒険家でもあるんです。
でも、残念ながら、1984年、43歳の誕生日に世界初の冬のマッキンリーに登頂したあと下山せず、いまだマッキンリーのどこかで眠っています。
数々の冒険に成功した栄誉をたたえられ、国民栄誉賞も受賞しています。

 

すごい人なんだね……。岩貞先生は、たくさんノンフィクションを書いているけれど『植村直己』の伝記を書いていて、いちばん大変だったのはどういうところ?

 

うーん、それは「植村直己さんに会えない」ことですね。
そのかわり、植村さんが書いたたくさんの本を読んだり、撮影した写真を見たり、植村直己記念館に行って、登山や冒険に使っていた道具を見ながら書きました。
書きおわった今でも、奇跡的に植村さんに会えるなら「エベレストに登ったときはどんな気持ちでしたか?」「北極圏を走っているときは、どうでしたか?」と、きいてみたいです。

 

そうか、現代のことを書くノンフィクションなら、書きたい人物に直接会ってインタビューできるけど、植村さんには会えないものね。伝記って、むずかしいな。

 『植村直己』の「ぜひ、ここを読んでほしい」という、おすすめポイントは?

 

植村さんの「言葉」ですね。
冒険する前や、冒険しているときに、植村さんが自分に言いきかせている数々の言葉があります。すごい冒険をしている植村さんだからこそ、「生きぬくため」に生まれた、名言ばかりです。
ふだんの生活も冒険だし、どんな小さなこともはじめてやるときは冒険だと植村さんが言っていたように、読者のみんなの毎日の生活にもあてはまり、勇気づけてくれる言葉がたくさんあるので、ぜひ探してみてください。
あと、曽田正人先生のイラストは必見ですよ! わたし、曽田先生の消防士を描いたマンガ『め組の大吾』を読んで以来、大ファンだったんです。イラストを拝見したときはもちろんですが、曽田先生のお名前と自分の名前が並んでいるカバーを見て、感激してしまいました。曽田先生、ありがとうございました!

 

岩貞先生も山が好きで、ヨーロッパアルプスでいちばん高いモンブランのテッペンにも登ったんでしょ? モンブランの高さってどれくらい? 富士山より高いの?

 

えーと、モンブランの標高は4810メートル。富士山は3776メートル。

 

ゲゲゲ、富士山より1000メートル以上高い! でも、そんな高いモンブランに登れるなら、エベレストも登れるんじゃない? 岩貞先生も、世界のテッペン、取っちゃいましょうよ⁉

 

フフフ。エベレストの高さはモンブランよりずっと高い、8848メートル。できることなら登ってみたいですけど、命がけだし、費用も膨大です。
それに、「山のお師匠さま」にとめられちゃってるから……。
『ハチ公物語』や『ゾウのいない動物園』の表紙を撮影してくれた田丸瑞穂(たまるみずほ)カメラマンはネパールの山に登る登山家で、わたしが勝手に「山のお師匠さま」と呼んでいるひとなんです。
わたしがモンブランに登りたいと言ったら、いっしょに登ってくれました。ものすごく苦しくて大変でしたが、頂上に着いたときの達成感は今でも忘れられません。
そのとき田丸カメラマンに言われたのは「岩貞さんは、見ると登りたくなっちゃう性格なので、ぜったいに本物のエベレストは見ないでください」でした。
さすがはお師匠さま、おもしろそうなものがあるともっと知りたくなるし、見るとやりたくなるわたしの性格をよくごぞんじで……。

 

うーん、それは残念。よし、それなら、ひのぴーがかわりにエベレストに登るぞ! まずは『植村直己』を読んで登山の勉強開始だ!

 

……あのー、もりあがってるところわるいんですけど、ひのぴーなら頂上まで飛んでいけるんじゃないですか? いちおう、鳥っぽいし。

 

ムムムッ? そういえば、ひのぴー、鳥だった……。

 

それに、ひのぴーは火の鳥でしょ。いつも燃えてるっぽいから、エベレストでも寒くなさそう。
そうだ! もしエベレストに登る機会があったら、ぜひ、ひのぴーもいっしょに行きましょうよ。ひのぴーがいればテントもあたたまりそうだし、本気出せば、お湯ぐらいわかせるんじゃないかしら? まあ、荷物はあんまり持てなそうだけど。 

 

完全に燃料あつかい……やっぱりエベレスト、やめときます。

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