春から転校することになった、小学5年生のひびき。
あたらしい町を探検していたひびきは、ふしぎなたたずまいの古書店にたどり着いた。
そこで出会った青年・レイジさんは、自分は福の神だと名乗り、ひびきに神さまのしごとを頼んできて!?
「ひびきさんには、3人のひとを、しあわせにしてもらいます。」
本好きなだけだったふつうの女の子・ひびきの、神さま見習い、はじまります!
福の神の弟子になってはじめての冬。ひびきはクラスメイトの芽依に呼び出され、それがきっかけで、絵理乃とこれまでにないケンカをしていまい!?(第一話 『笑うアマノジャク』) ひびきの両親がアメリカに引っ越すことに! 葵野小学校、そして福神堂に来てから大切なものがたくさんできたひびきは、福の神の弟子を続けるのか、新しい世界に行くのか迷ってしまうが。(第二話『なんでもない一日』)
福の神の弟子になってはじめての冬。ひびきはクラスメイトの芽依たちに呼び出される。仲の良い絵理乃との関係について何か言いたいらしい芽依だけれど、当の絵理乃に注意されて引き下がってしまった。その後、ひびきに「ひどいことを言ってごめんなさい。」と謝ってくれた芽依だけれど、芽依がくれた手紙を見た絵理乃は怒って手紙を破いてしまう。ひびきと絵理乃はこれまでにないくらいのケンカをしてしまう……。(第一話 『笑うアマノジャク』)
ひびきの両親がアメリカに引っ越すことに! ひびきも転校して一緒に暮らさないかと誘われるものの、朱音さんはゆっくり考えていいと言ってくれた。葵野小学校、そして福神堂に来てから大切なものがたくさんできて一人じゃないと知ったひびきは、福の神の弟子を続けるのか、新しい世界に行くのか迷ってしまう。(第二話『なんでもない一日』)
大好評だった中日こども新聞他の連載をまとめた1話に、感動の最終話を加えた2話構成。
<小学生中級から すべての漢字にふりがなつき>
定価:682円(本体620円)
ISBN 9784062856782
「ふしぎ古書店」シリーズの巻末にある、ひびきやレイジさん、チィちゃんが読者のおなやみに答える「福神堂のおなやみ相談室」というコーナー。
ここ、青い鳥文庫ウェブサイトでも、あなたのおなやみ大募集します!
学校のこと、友だちのこと、あなたのおなやみを教えてね。
採用されると、ここのコーナーや、次の「ふしぎ古書店」の新刊で、ひびきたちが答えてくれるよ!
こんにちは、東堂ひびきです。
『ふしぎ古書店』をおうえんしてくれているみなさん、どうも、ありがとうございますっ!
ではでは、「福神堂のおなやみ相談室」ウェブサイト版の第5回、スタートです。
【相談】
わたしは、クラスに友だちがほとんどいません。
クラスのひとと話すことがバカバカしく思えてしまいます。
どうしたら、この考えをかえられるでしょうか?
小学6年生 ユッキーさん
あー。
わたし、ユッキーさんの気持ち、ちょっとわかります。
ひびきさんも、同じようにお考えなのですか?
バカバカしいというと、少しきつい表現ですけど、
あわせなくちゃいけないのって、めんどうくさいと思うことがあります。
なるほど。
「あわせなくちゃいけない」というところまでいくと、
そうかもしれませんね。
あ、でも、ユッキーさんの相談は、考えかたをかえる方法ですよね。
ということは、クラスのひとと、もっと親しくなりたい、と思っているんですかね。
どうすればいいでしょう?
まず、ぼくは、クラスメイトだからといって、全員、
親しくしなければいけないとは思っていません。
え? そうなんですか?
はい。仲がよいに越したことはありませんが、
みんなと仲よくしなければいけない、と思いこみすぎると、苦しくなってしまいます。
全員とは親しくできない、とわりきってしまったほうが、
気が楽になるはずです。
あ、そうかも。
友だちは多ければいい、というものではありません。
もちろん、友だちづきあいのなかでしか生まれないものもありますから、必要ないとも言えません。
ユッキーさんは、
「クラスに友だちがほとんどいません。」と書いていますね。
ということは、まったくいないわけではないのでしょう。教室の外にいるのかもしれませんし。
まずは、そこでの関係をたいせつにすることが重要だと思います。
そこから、友だちの輪が広がっていくことだってありますよ。
わたしも友だちが多いほうじゃないです。
でも、本当の友だちは、だいじにしたいです。
絵理乃ちゃんと仲よくなったことで、紗奈ちゃんとも親しくなれました。
そういうことです。
ただし、ユッキーさんがあらためたいと考えている、
会話をバカバカしく思ってしまうクセというのは、
気をつけたほうがいいかもしれません。
態度に出てしまうこともあるでしょう。
それが原因となって、ギスギスした関係が生まれてしまう場合もあります。
話している相手に、バカにされていると感じたら、イヤな気持ちになるはずです。
みんなと仲よくしなければいけない、ということはなくても、
じゃあ、傷つけてもいい、ということにはなりません。
相手の気持ちを想像し、ケンカごしにならないことがたいせつですよ。
そうですね。ただ……。
なんでしょう?
えっと、最後に、
ちょっとだけ、つけくわえてもいいですか?
もちろんです。
わたしがえらそうに言えることではないんですけど……。
わたしも、じぶんをすり減らしてまで、友だちをつくる必要はないと思います。けど、かんたんに切りすてちゃうのも、もったいないかもって、最近は、思うようになりました。
新しい経験をするチャンスかもしれないじゃないですか。
そういう考えかたもあるって、ユッキーさんに知ってもらいたいです。
なるほど。
ひびきさんは、秋山さんや井口さんと友だちになって、
考えかたがかわったのですね。
レイジさんやチィちゃんとも出会えたからです。
わたし、みんなが大好きです。
おや、これは、照れますね~。
(※相談内容は、一部に修正をくわえています。
学年は投稿時のものです。)
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